Before (改善前)

内径研削盤でワークを3方向の爪で挟み込むダイヤフラムチャック方式の設備があります。このダイヤフラムチャック方式の内径研削盤は、ワークの形に柔軟に対応できるメリットがあり、さまざまな形状の内径を加工できます。
ただし、ダイヤフラムチャックの爪は一定の動きしかできないため、クランプ箇所の形状が崩れていたり、クランプする面積が極端に少ない場合は、研削加工中にワークが動き、寸法・真円度・同軸度が悪くなるリスクがあります。そのため、研削速度を遅くし研削抵抗を下げ、ワークが動かないように加工する必要があり、生産能力が下がり不良率が上がる為、製品1個当たりの加工コストが上昇してしまいます。
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After (改善後)

ダイヤフラムチャック方式の内径研削盤で加工する場合、事前にワークの外径面を揃えることで加工品質を安定させることができます。図面には外径研削G指示はなくとも、外径面に一度研削を行い、外径表面の形状を整える事でダイヤフラムチャックのクランプ面積が増えます。
これにより、チャック精度が向上し、研削時の抵抗でワークが動く事がなくなります。二次効果として、クランプ精度が上がると、クランプ圧力を下げる事もでき、クランプ圧による真円度精度の向上も図ることができます。また、研削スピード向上による生産能力アップや加工精度向上に依る不良率低減効果にも繋がります。