スペーサープレートとは
スペーサープレートとは、機械の組立の際に高さ・厚み・隙間・摺動部を調整するために用いられる、プレート形状の部品のことを指します。スペーサープレートは建築機械、産業機械、自動車などの様々な機械に使用されます。
スペーサープレートの製作に使用される材質は多岐にわたり、一般的には鉄、炭素鋼(S45c等)、クロムモリブテン鋼(SCM415等)が用いられますが、導電性が求められる際には真鍮などが用いられることもあります。
スペーサープレートにおいて平面度が重要な理由
スペーサープレートの製作において、最も重要なものは平面度です。平面度とは、部品の平面の均一性、要するに部品の表面が滑らかであるか、部品の上面や底面が傾いていないかを表す数値です。スペーサープレートを使用する上で、この平面度が保たれていなければ、様々なトラブルが起きてしまいます。
例えば、自動車などのエンジン部品に使用される場合に平面度が保たれていなければ、回転による振動の影響で、スペーサープレートが隙間を埋める役割を果たせなくなり、エンジンのガタ・異音・過剰な摩擦熱などの発生に繋がりかねません。
航空機業界や自動車業界をはじめとする超高精度な部品が密集している機械において、上記のようなスペーサープレートのトラブルは重大な問題に繋がってしまいます。
これらの理由から、スペーサープレートの製作において平面度が最も重要であると言われています。
スペーサープレートで平面度を出すためには
ではスペーサープレートで平面度を出すためには、どのような要素が必要なのでしょうか。
当社では大きく分けて下記の2つの要素が必要であると考えています。
1.前工程を考慮した研削方法
2.スペーサープレートの形状を考慮した最適な研削盤の使用
1.前工程を考慮した研削方法
研削加工は一般的に製品の最終工程に用いられることがほとんどです。これは研削加工が、製品の高精度を実現するための仕上げとして用いられることが多いためです。言い換えると、研削加工の前工程の製品は図面で求められている精度を実現できておらず、前工程の影響を強く受けている状態だと言えます。
例えば前工程がプレス材であれば、その影響は歪みという形で顕著に現れます。この歪みを取り除くためには、まずは粗研削を行い、その次に仕上げ研削(または研磨)を行います。また、前工程が切削である場合もそれぞれの影響を強く受けている可能性が高いため、適切な切削方法を選定する必要があります。
2.スペーサープレートの形状を考慮した最適な研削盤の使用
スペーサープレートの平面度を出すために必要な2つ目の要素は、スペーサープレートの形状ごとに使用する研削盤を変えるということです。ひとえに研削盤といっても、その種類は多岐にわたり、種類ごとに加工可能形状や素材は異なるため、最適な研削盤を選定しなければなりません。
例えば、前述の歪みが大きいプレス材であれば、サーフェース研削盤にて粗加工を行う必要があります。その他にも、ロータリー研削盤やガードナー研削盤など様々な種類の研削盤がありますが、これらの研削盤を使い分けることは無駄な加工時間の削減につながり、最終的にはコストダウンを実現することも可能です。
当社のスペーサープレート製品事例
スペーサープレート(幅平行度 20μm)
こちらのスペーサープレートは、量産精密研削加工.comで製作した産業用機器に使用されます。素材はSCM415でできております。製品サイズは外径φ57mm、内径がφ17mm、幅の厚みが3mmとなっております。幅平行度が20μm以下となっております。加工方法としては…